三軒茶屋のショップハウス
Shop-House in Sangenjaya
用途:店舗併用住宅
敷地面積:73 ㎡
建築面積:43 ㎡
延床面積:85 ㎡
階数:2階
構造:木造(準耐火構造)
施工:バレッグス
構造設計:井上健一構造設計事務所
写真:長谷川健太
三軒茶屋の住宅街における細く長い店舗併用住宅の計画。
「坪60万円台」で「新防火地域」に建つことを求められた。
新防火地域では木造2F建てでも準耐火構造とする必要があり、構造の木部の表しが簡単にできない。
ローコストという条件も鑑みて、町中によくある建売住宅の中にあるコードを元に、設計を試みた。
敷地形状は接道している部分のみ広がっており、それ以降は間口が3.5mと細く、隣地境界からの壁面後退が500㎜以上と地区計画で定められていた。奥行きは長く18mもあり、細い路地で大きな道に接道している。上記から短手の芯々は2.5mとなり、極端に細長いプロポーションとなる。
様々な居場所を住宅でも店舗とも通路が貫通し、場所の違いを楽しむような建築を提案した。
主に1階は店舗、2階を住居部分とし、1階は2面ともから通り抜けられる構成とした。外部から見たときに長さを強調するように、断面的に入り口に向かってだんだんと上がるフロアとした。それにより、1階店舗部分は天井高が高く、2階住宅部分は奥に行くほど天井が高い部屋を生み出している。
敷地形状の広がった部分を利用し、斜めに壁を入れ、道からのアイキャッチと耐震要素として有効な壁を設けた。出窓部分は500㎜の壁面後退をかわせるため、ベンチや本棚としての窓間を設け、窓自体が家具のような人の居場所として設計している。キッチンの後ろには開口を大きく取り、簡易的なサンルームとした。
細いという親密さを作り出すスケールと、長いという都市空間的なスケールの共存した建築である。